水の生い立ち
さて、ドイツでは、日本とは違って、ミネラルウォーターには普通は炭酸が入っています。
どうして炭酸をわざわざ入れてあるのでしょうか?
 


その昔、ヨーロッパアルプスも海のそこだった時代がありました。アンモナイトの化石が標高4000mを越える場所からも発見されるように太古の海に存在した珊瑚たちが、このドイツをはじめとするアルプス以北の大地に閉じ込められ、とてつもなく広い範囲が、石灰岩の大地になったんだそうですよ。

というわけで、ドイツの水道水はとってもカルキ(カルシウムとマグネシウム)が多いのです。水道管も、湯沸し器も、コーヒーメーカーもそのせいで、すぐに真っ白になってしまうし、お風呂のシャワーもカルキで詰まってしまいます。

洗濯機だって、硬いお水が石鹸を溶かさないので、なんとドイツではお湯を沸かしてしまいます。日本では真冬でもお湯で洗濯などしませんよね。冷たいドイツの水道水では、石鹸が溶けませんから、洗濯機は湯沸し器のようになっているので洗濯の時間も1時間以上はかかってしまうんです。そういえば、衣類の洗濯する際の表示に、40℃とか書いてありましたけど、何でわざわざこんなこと表示する必要があるのか?日本にいるときには疑問でしたよ。誰が40℃以上のお湯で洗うんだ!って

そんなお水を毎日使っていると、体に石灰が溜まる?と考えたのかどうか?炭酸が入ったお水はその炭酸が石灰を溶かしてくれる作用があるからだともいわれています。

実際にほとんど全ての市販のミネラルウォーターは炭酸水です。
統計によるとミネラルウォーター消費量のうち90%が炭酸入りだそうです。

最近でこそ、お隣のフランス製の日本でもおなじみのエヴィアンやヴィッテルを飲む人も出てきてようやくこの状況ですから10年ほど前までは普通のスーパーで、炭酸入りではないお水を探すのは至難の業でした。そして、こちらにどれだけ滞在しても、ドイツ料理とこの水には閉口する!っていう人も結構ドイツ在住の日本人には沢山いますが、私自身は、1年中乾燥した空気の中にいると、夏の暑い日にく〜っとビールの美味しいがごとく、喉にぴりピリッとする炭酸水は渇きを癒してくれていると思っています。
でも何年住もうが絶対炭酸水は受け付けないという日本人のほうが多いのかもしれませんね、きっと。

ドイツといえばビールとジャガイモ、美味しいビールが作れるのも、甘い美味しいジャガイモができるのも、石灰の大地の恩恵のひとつなのだという事も、忘れてはならないと思います。
そしてもう1つ、忘れてはならない事は、日本にも炭酸泉(温泉)が存在するように多くのドイツの鉱泉は、最初からわずかに炭酸が含まれているものがほとんどであることです。
そして、どうも美味しい水の判断もドイツ人にとっては、炭酸入りが重要な要因を占めるようです。
ドイツを訪れられる旅行者が、レストラン等で、NO GAS!と注文したあと、OK!といわれ安心していたら、出てきたお水にはGASが入っていた、あまり笑える話ではないんですが、ドイツ人にとって、故意にGASを入れていないお水はつまりNO GASのお水であって、泉から湧き出しているお水に最初からGASが含まれているものは、彼らの感覚ではGASなしと判断される、という訳なのです。


ビールと、ワインだけが取り上げられるドイツですが、名水?だってあるはずです。なんたって、奇跡の泉ノルデナウの村が在る国なんですから、、。

ドイツ版六甲の水、弘法大師の霊水を尋ねるバーチャルツアーに、さあ出かけましょう
 
そしてその前に、興味のある方は、日本では、そしてドイツでは何を基準にミネラルウォーターと呼ぶのでしょうか?
興味をそそられる方は、序説から読んでくださいね。 


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