ゆきんころじー
第一話   あの大人しいウチのダンナもきれたぞ! 事件                                        
 
家の旦那は、私のことを日本びいきのNATIONALISTとよんでいます。
(日本にいるときは、飛んでる西洋かぶれと言われ、こっちにくれば、国粋主義者とは、ちと、情けない気もしますが、、、。)
 
でも、私をそう呼ぶ旦那も、きれた、事件が今回フランスはパリCDG空港で、ありました。
 
日本に帰るのに、日系の航空会社より一人あたり500DM安い某航空会社は、やっぱり、価格的に魅力があり、選んでしまったのがいけなかったか、、、?後になって考えればの話です。
 
FRA-CDGがいつものように遅れ、乗り継ぎ時間のあまりない我々は、クリスマス休暇でごったがえす空港のターミナル移動をやっとの思いでして、EU出国の為,PPコントロールの長い列に大人シークでもちょっといらいらしつつも並んで待っておりました。
私の前には、2人のやはり同じ便に乗りたいであろう日本人、後ろには旦那のドイツ人、その後ろは、アフリカ系の人でした。長い間ならんで、漸く我々というときに、我々が並んでいた窓口が、前の日本人のところで急に閉まってしまい、係官は、あとのものは、隣の、延々と並んでいる一番後ろに並びなおせ!とおおせになったわけです。
えーっ!!折角ここまで来て,もうすぐ自分の番なのに、、、、と怒りたくなるのは、当たり前。
隣のブースは、2つ有り、手前のブースへは、横から、すぐ行けるので、そっちへ、つまりその列の横入りをしようとすると、やっぱり駄目で、後ろへ並べ!といわれ、いくら、こっちに並んでたのにあんたが急に閉めたから、、。という言い訳などはは、無論聞いてもらえなかったのです。
もうーッとなんてこったと思いながら、我々日本人たちと、後ろの黒人はおとなしく引き下がり移動し、その後ろは白人系のGRPでした。
ところが、この白人系、彼らは、後ろには、やってこず、今我々が、駄目だと言われた窓口から、どんどん入っていくのです。
(いっときますが、彼らは閉められた窓口の我々の後ろにいた人たちなのですよ。)
そして、たった今、日本人はどうせおとなしいから、タカビーにでたら、言うことを聞くに違いないと、あっちへ行けと言ったフランス人女性係官が、その白人達を通しているのです。
この不合理、この差別待遇には、ドイツ人の旦那(彼は本当におとなしい大声で喋ることも全く普段はない人です)も、切れましたね〜このときは、、。

前の人達をもう1度かき分けて、さっきの後ろへ並びなおせと指示した係官の元に行き、英語で(残念ですが彼もフランス語は喋れないので)大声で抗議をしました。
係官は、ぶっちょうずらをして、余りの勢いの我々2人を通過させました。が、、。前の日本人と後ろの黒人さんは、そのまんま、後ろに並んでました。
弱肉強食の大陸では、(イギリス人は結構並ぶと思います。)おとなしくしていると、馬鹿にされる。
日本で言う大人げのある人は、いつも、損をする世界です。
時々、まるでやくざの世界と、思うこともあります。
 
パン屋でも、肉屋でも、洋服屋でも、黙って並んでいても、特にアジア系女性は、ドイツ女性の多くから敵対視されているせいもありますが、まずほとんどの場合、順番を抜かされ、無私されることも、非常におおくあります。(何度これで、嫌な思いをしたことか、、。)
ドイツ人を含むこちらの人には、日本人か、タイ人か、フィリピン人、韓国人、中国人、ベトナム人、インドネシア人等の区別は、つきません。
私にも、未だに、チェコ人、ポーランド人、ロシア人、ユーゴ、スロベニア、等々の区別はつきませんから、、、。
(ドイツ人男性は、今も冬の間はタイに住ん出いる人が結構沢山います。
昔日本でも女性を買いにタイへ行っていた人の幼な妻の話
が有りましたが、ドイツでは、まだそんなチャーター便があるそうですし、確かに多くのタイ女性が、ドイツ男性と、明らかに、VISAをとるために、結婚しています。)
 
従って、それが嫌でもうスーパー以外では、買い物をしたくなくなるのです。 
上記の事件が自分の目の前で、起こったことで、ようやく、今までそんなことは絶対にないと否定していたドイツ人の旦那も、不合理がまかりとおっているのかもしれないな、と思いなおしたようです。
 
そしてはたまた後日談、某航空会社は、帰りのCDG-FRAも3時間30分遅れた挙句、荷物は3日間出てきませんでした。
 
夜中のFRA空港で、ほとんど全員のスーツケースが出てこず、書類作製に並ぶこと、1時間30分、余りの手際の悪さに、サービス砂漠と自分達の国を呼んでいるドイツ人でさえ、どうせ、是が最後の某航空会社なんだから、、。もう2度と使うもんかとなどといいながら、ぐちぐち並ならんでいました。
私なんかは、ふんドイツ人だって、50歩100歩でしょうに、、。と内心思っていましたけどね。
 
1月6日の関空も凄い混雑でしたが、横入りも無く、(実は、私達がCHECKINで並んでいる時、新しいカウンターがOPENして、何人かのドイツ人がそちらに行こうとしたのですが、係員が順番にご案内しますと、整理して、さすが、日本!と思ったもんです。ハイ
ちなみに、こんなふうに、並んでいる列を整理したり案内をする人の姿も、EU大陸の空港ではみかけません。
  
日本で紹介されている書籍等は、なんでも日本人がおかしい、悪いから直した方がよい。というようなものばかりが取り上げられ、ドイツに関しての書物も、ドイツ絶賛、ドイツ人は、まるで、皆が哲学者や詩人、音楽家ばかり、日本と似た国で、質実剛健、合理的、な人が、ほとんどです。と言う印象をうけるインテリ好みのインテリばかりが住む国で、良いイメージだけが、あまりにも多く取り上げられている気がします。
これはひとえに奥ゆかしい、反省好きな、柔軟な考えの持てる日本人には、日本が1番なんだよなんて本は、ちょっと、買ってもらえないといううことも、出版関係者の考えとしてはあるのでしょうか、やっぱり?

40歳近くなってから、何の因果かドイツに住むことになった変わったいきさつの日本人が、独断と偏見ではない、生のドイツを書いていこうじゃない、というのが、この
ゆきんころじーです。
心が柔軟な若い学生時代にこちら残られた方は、日本が悪い、日本は住みにくい国だ、と思われるかたが、多いのですけど、もう十分柔軟ではなくなってから異国に住み始めるのは大変かもですよ。
最近はそれでも、ドイツのひどいサービスになれてきて、怒りを感じなくなっていく自分にも、
ちょっと、吃驚かしらん。
ですからこそ、日本に帰ると、なにげない日本のサービスに感激の連続なんですけれども、、、。